暗い夜でもフルカラー画像で撮影可能、ドローン大手DJIにも採用された「ナイトビジョンカメラ」とは
AIを活用した暗視撮影技術を手掛ける中国発スタートアップ企業「深知未来(DeepThink)」(以下、DeepThink)は、産業用ドローン向けのフルカラーナイトビジョンペイロードカメラ「S2」を発表した。同製品は優れたナイトビジョン性能と画質により、ドローン最大手のDJIの産業エコシステム・ソリューションにも選出された。
DJIの産業エコシステムとは、同社の事業とのシナジーを創出できる厳選したサードパーティ製のソリューションが公開されているプラットフォームだ。S2は、このエコシステム内で唯一のフルカラーナイトビジョンペイロードカメラでもある。
S2は、DeepThinkが開発したフルカラーナイトビジョンカメラのうち、ドローンペイロード向けの主力製品となっている。自社開発のディープラーニングニューラルネットワーク技術を採用したイメージングエンジン「知影®AI ISP」を搭載し、0.005LUX以下の極低照度環境においてもフルカラー画像の撮影が可能で、夜間でも昼間のような視覚効果を得られる。また、20倍光学ズームレンズ、80倍複合ズームを備え、遠隔広範囲かつリアルタイムの撮影も可能だ。
同時に、S2は組み込みアルゴリズムでノイズキャンセリング、手ぶれ補正、霧除去等の機能を備えており、水利、林業、石油、電力、公安関連など、幅広い用途に対応している。
DeepThinkは2017年に中国・深圳市で設立、ディープラーニングニューラルネットワーク技術による画像生成エンジンを研究開発し、次世代の画像関連製品の開発に注力しているハイテク企業。コア技術はAIによるISP(イメージシグナルプロセッサ)アルゴリズムで、ドローン用のフルカラーナイトビジョンペイロードカメラのほかに、携帯タイプのナイトビジョンスコープなどの製品がある。
同社は現在グローバルへの進出を加速させている。製品はすでに日本、韓国、アメリカ、オーストラリアなどの海外市場にも展開している。また近い将来、日本にオフィスを構える予定で、本格的に日本市場へ注力するという。